今回はA-2ジャケットのコーディネート例をご紹介したいと思います。
といいましても、この道のプロではないので個人的な感覚、考えになりますがご了承ください。
A-2ジャケットは着丈の短い、いわゆるショートブルゾンの類になります。
こういったアウター類は特に春物を中心としてたくさんありますが…
コーディネートに気をつけないと
体型の悪さが露骨になって、とてもだらしない印象を与えます。
特に、ワタクシのように40を過ぎたオジサン方は注意が必要です。
しかし、オジサンなりの有効な着こなしというものもありますので。
そちらを大いに活用していきます。
難しいことはありません。紳士服の
クラシックなスーツスタイルの『型』を思い出して
それをカジュアルに変えるだけです。
スーツスタイルの『型』といえば…
シャツ、スラックス、ベスト、ジャケット、そしてネクタイです。
スーツをそのままカジュアルに着るということではなく…
(生地によってはそのまま使えることもありますが)
こういった『型』のカジュアルアイテムを合わせるということになります。
具体的なポイントは2つです。
1.股上が深く、センタークリースの入った、カジュアル寄りの生地のパンツを履く。
2.丈が短く、同じくカジュアル寄りの生地のベストを着る。
これだけで体型が悪くとも、だらしなくならず紳士的に着ることができます。
順に解説していきます。
1.股上が深く、センタークリースの入った、カジュアル寄りの生地のパンツを履く。
A-2ジャケットのようなカジュアル、ミリタリー、ワークテイストのアウターにはジーンズを合わせることが鉄板ですが…
ジーンズというものは、実はとても難しいアイテムです。
床などに広げて置くとわかるのですが、ほとんどのジーンズは脚が開き気味の形になっています。
これにより股間の位置が強調されて、良くも悪くも脚の長さが露骨に表れる型紙になっています。
そこでスラックスのような形の、きちんと股上が深い、センタープレスの効いたパンツを履きます。
いわゆるトラウザーズと呼ばれるものです。
スラックス形のパンツは体型の悪さをカバーしてくれます。
ジーンズとは対照的に、股間の位置があいまいで、股下の長さが目立ちにくい型紙です。
股上が深いことで下腹部の出っ張りも目立たなくする形になっているので、これを有効活用しない手はありません。
こういった服を活用することは『逃げ』にも思えますが…
日頃運動するなどの努力していても、歳を重ねれば骨格が歪み、体型は悪くなっていくものです。
ハリウッドスターですら、若い頃の方がはるかに体型が良いのですから、一般人なら尚更です。
誰もが歳を取れば体型が悪くなるもの。
決して『逃げ』にはならないので、40を過ぎたらジーンズよりもこういったトラウザーズを履いていきましょう。
むしろクラシックでフォーマルな形のパンツは、歳を重ねる毎に身体に馴染み、年老いてく自身と共に良いアジを出してくれる、と個人的には考えています。
ただし生地は繊細なスーツ生地でなく、カジュアル寄りのものを選びます。
温かい時期ですと、薄手のチノクロス、リネンコットン、ウールリネンなどが挙げられます。
まだ肌寒い時期なら、フランネル、ツイード、コーデュロイなども良く合います。
2.丈が短く、同じくカジュアル寄りの生地のベストを着る。
こちらもクラシックなスーツスタイルを流用して、ジャケットの中にベストを着ます。
ベストを着ることで上腹部を覆い隠せるので、更に体型をカバーすることができます。
必ずしもベストを着なくてはいけない、ということもないのですが…
腹部にできる、こういったシャツのたるみは少なからずだらしない印象を与えます。
ベスト着ることでシャツのたるみも隠せるので、きっちりとした、紳士的な印象を与えることができます。
寒い時期はカーディガンやニットでも良いのですが…
ジャケットの裾からなるべくはみ出さないような短い丈のものを選びましょう。
せっかくジャケットの中を引き締めているのに、ベストやカーディガンの裾がはみ出してしまっては、そこでだらしない印象を与えてしまいます。
紳士の服装はとにかく、シンプルに、そして収めるべきものをきちんと収める。
自身を見た人に対して、余計な情報を与えないこと、と考えます。
ベストの生地もまた、カジュアル寄りのものを選びます。
パンツと同じく、季節に応じた生地にしましょう。コットン系のものは既製服だとあまり売っていないので、春夏はリネン系、秋冬はウール系のカジュアル生地が良いかと思います。
最後に、僭越ながらコーディネート実例を紹介していきます。
定番のコットンチノトラウザーズに、リネンのウインドウペン柄ベストを合わせています。
ベストもパンツも、ビジネス・ジャケパンスタイルに使えるのでとても便利です。
体型の悪さをカバーできて、収めるべきところをきっちりと収めて、まとまりのある
コーディネートになっているかと思います。
各アイテムのサイズは大きすぎず小さすぎず。太すぎず細すぎず。
ただ、自身の体型にピッタリ合ったものを着ます。
ベストを着ないとこんな感じに。無し、ということもありませんが…
やはりお腹周りがややだらしなく見えるかと思います。
紳士たるもの腹隠せと言いたくなってしまいます。
暑ければベストよりも先にジャケットを脱ぎましょう。
ベストとシャツのスタイルだけでも様になりますし、上に着ているものから脱ぐのが合理的です。
極端な話ですが、素肌の上に直接コートを着る、ということはしないのですから…。
ベストを別のものにするだけでも印象が変わります。
複数のベストを所持すればコーディネートのバリエーションも格段に増えていきます。
チェック柄のシャツと、細かい千鳥柄のフランネルトラウザーズ、そしてネイビーのベストを合わせた例です。
ネクタイの代わりに襟元を華やかにしたいときはスカーフを巻くのもいいですが…
そこまでするのはキメすぎかな、というときに柄物のシャツをよく着ています。
特にチェック柄は着る人を選ばず、オフ感を演出できます。また、雰囲気をさりげなく華やかにできるので、とてもオススメです。
一応、ジーンズを履いたコーディネートも載せます。
やはりさらにカジュアルな雰囲気になりますね。
リーバイス505にボーダーバスクシャツ、チマヨベストを合わせています。
靴をレッドウイングにすれば昔ながらのザ・アメカジになります。
しかしジーパンがあまり紳士的ではないと感じますし、こういった組み合わせは
歳だけ取ってしまって、服装に対する考えが若い頃からアップデートができていない
ように思ってしまいます。
よほどのアメカジに対するこだわりと覚悟が無い限り、このようなコーディネートは30代まで。と個人的には思います。
いかがでしたでしょうか。
やはりクラシックなスーツスタイルの『型』というのは、体型や年齢を問わず
どんな人をも紳士的に見せてくれる。
ということがわかりますし、それはスーツに限らず
カジュアルにも流用できる。
ということを今回お伝えしたかった次第です。
今回着用しているアイテムの各々は、どれも定番で無難なものばかりです。
着こなしもまた無難ではありますが、汚さやだらしなさの印象を与えない
間違いのないコーディネートだと自負しております。
メディアに取り上げられるような流行りのスタイルではなく、今回のような
間違いのないコーディネートを主軸にしていただければ、日頃世間から
オジサンの服装にチクチクとクレームをつけられることも減るのではないかな…と考えます。
今回の記事が少しでも紳士のみなさま方の参考になればと思います。
それではまた!