今回はワタクシが先月、古着で購入したA-2フライトジャケットの紹介と、傷の補修
そしてコーディネートを考えていきたいと思います。
前編として『A-2ジャケットの紹介、補修』
後編として『A-2ジャケットのコーディネート』を書いていきます。
今回は前編・A-2ジャケットの紹介・補修になります。
A-2ジャケットとは
A-2ジャケットといえば、みなさまご存じのとおりアメリカ空軍で採用されていたレザージャケットです。映画『トップガン』では襟がボア仕様になっているG-1が着られていますが、G-1よりも街中で着やすいA-2が人気で、昔からの定番となっているようです。
数あるレザージャケットの中でも1,2を争うくらい有名で、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。
では今回ワタクシが購入した古着のA-2ジャケットなのですが…
とてもオーソドックスな色、形のものですね。
最も流通量が多いタイプかと思います。
様々なメーカーがこのA-2ジャケットを作っていますが、こちらはというと
サンフランシスコ…アビエイション…⁇
うーん、全く知らないメーカーです。
調べてもほとんど情報が出てこなく、おそらく米国の一部で流通していて、日本ではまず見かけないメーカーです。古着だとこういった出会い・発見がまだまだあるところが面白いですね。
一応メイドインUSAですし、シボ感のある革質も雰囲気があって悪くないです。こちらはホースハイドつまり馬革仕様で、程よく柔らかく軽く丈夫で、レザージャケットとしては非常に着やすくなっています。色合いも程良いダークブラウンで、正にワタクシの思い描くA-2ジャケットでした。
革の補修について
ですがやはり古着ですので、傷や擦れが所々あり気になります。
それが古着の醍醐味といえばそうなのですが…
レザーの場合、表面に傷が付くとそこから革の油分や水分が抜けやすくなります。小傷が少しあるくらいなら問題ありませんが、一番表層である銀面がなくなるくらいの傷が所々ある場合、こまめに保湿しないとそこからどんどん乾燥していき、大きなヒビ割れが起きてしまいます。
そうなると補修が難しくなり、別の革でパッチを当てるといったことしかできなくなってしまいますので、早めに銀面の復活をしたいところです。
銀面の補修剤というものが巷には色々売っていますが…
↑レザー補修剤18色(画像クリックで楽天販売ページへ)
市販の補修剤は色味や質感が、どうにも革に馴染まないことが多いです。
そこで考えたのが…油絵の具です。
絵具ならば色味を自在に変えられますし、溶き油で光沢感も調整できる、ということです。
油絵の具なんかで大丈夫なの⁇と思われるかもしれませんが…
油絵の具は乾燥してしまえば丈夫な塗膜を作ることができます。
実際、西洋絵画でも多少の劣化はあるものの、100年200年と画面を維持し続け、美術館で展示されています。
また、溶き油を多めにしてサラサラにすれば、革の繊維に浸透しやすく
革そのものを染めることもできます。
そういった理由で、革の補修に油絵の具はうってつけなのではないか、と考えた次第です。
油絵具での補修を実践
では、実際に今回のA-2ジャケットを補修していきます。
致命的な大きい傷は見受けられませんが、革の一番表層である銀面が擦れて、中の明るい色の繊維層が出てきているところが多々あります。
具体的な場所はやはり、縫い目付近で主に
襟周り、裾周り、袖口周り、そしてセンタージップ周りとなっております。
これらの場所を中心に、油絵の具で銀面の色を作り、少しずつ塗り込んでいきます。
塗る、といいましても絵の具をベッタリと塗るのではなく、サラサラの状態の色を細筆でほんの少しずつ、絵の具を取った筆でトントン叩きながら染み込ませていくイメージです。
では早速、絵の具で色を作ってみます。
どの色を選んで混ぜ合わせるか、ですが、こればかりは経験を積むしかありません。
納得いくまで様々な色を混ぜてみましょう。
ワタクシは普段油絵を描いていて慣れているので、すぐに選び出せました。選んだ色はヴァンダイクブラウンとバーントシェナーです。割合はヴァンダイクブラウン:バーントシェナー=7:3〜8:2くらいの、暗めのブラウンを作っています。
では、襟周りから塗っていきます。
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所々擦れが目立ち、将来的に折れ目からヒビ割れするのが目に浮かびます。
ですが油絵の具を塗り込んでいくことで、ほとんど目立たなくなりました。
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初めは溶き油多めの絵の具を浸透させます。
その後に絵の具を少し多めにして重ね塗りし、塗膜を作り上げます。
袖口周りもやっていきます。
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縫い目とリブ付近に擦れが多くあります。こちらもほとんど目立たなくなりました。
次は裾周りになります。特にセンタージップ周りに擦れが多いです。
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こちらも目立たなくなりました。油絵の具できちんと塗膜ができていると思われます。
補修が終わりましたら乾燥期間として3日、できれば1週間くらいクローゼットで保管すればよろしいかと思います。
これで補修は完了ですが、絵の具を塗った箇所も擦れば傷付きますし、剥がれもしますので、過度な期待は禁物です。
やらないで放置するよりもやった方が少しは長持ちする、くらいのつもりでいましょう。
そして、この補修を行う場合は
あくまでも自己責任でお願い致します。
こういった方法で革ジャン補修をしている変人もいるんだと…参考になれば幸いです。
それでは良い服装生活を!
次回はコーディネート編を上げる予定です。